華々しくない合格体験記(案)

R4予備論文合格、口述結果待ちです。新司法試験の勉強の妨げにならない程度に、思うところを発信していこうと思います。

C答案をめざす

巷で「予備論文は、全部Cを取れば合格する」と聞きますが、本当でしょうか?検証してみました。

以下、自分の成績です。これでギリギリ合格しました。本当にギリギリで、得点や順位を公開する気にもなれません。

Aが6点・・・Fが1点として平均を取ってみました。

はい、きれいに平均がCになりました。噂は本当のようですね。

 

自分は、能力(知力・体力)も時間も、受験者の中で相対的に不利な状況にあると認識していたので、

「全部Aがをとって上位合格を目指す!」などという高望みはしませんでした。

(そんなのは贅沢というものです。安くてそこそこ美味しくて栄養が取れれば十分です。って何の話?)

 

なので、全科目でホームラン答案(A)を目指そうとは思っておらず、コツコツヒット(C)を重ねていこう、空振り(E、F)だけは避けようという作戦でした。(思いっきり空振りしてるけどね!)

で、「どうしたらどんな問題が出されてもヒットが打てるか、というか空振りしないか」を考えたわけです。(某法律研究所の先生のすべらない答案というのも同趣旨だと思います)

能力も時間もない、暗記も苦手という自分が、どうやったら本番でそこそこの答案を書けるか。

とりあえず、

  1. 出題趣旨を見抜いて筋を外さない
  2. 事案をちゃんと使う(事案が使えないときは筋が間違ってると認識すべし)
  3. とにかく条文の要件に当てはめる。すんなり当てはまらないときに問題提起する。論証は覚えられないから、趣旨からその場で考える。このとき三段論法は崩さない。

に尽きるという結論に達しました。

 

1と2について付言すると、問題文に載っている事実は、現実の「生の事実」ではなく、出題者が答案に使ってほしい「生の事実」にすぎないはずです。出題者は答案から逆算して、問題文を作っているとも考えられます。

(自分はこのことに名探偵コナンを見ていて気が付きました。なんてわざとらしいストーリー展開なのだ、あとで絶対謎解きに使う事情しか出てこないやん、と。予備司法の論文の問題文も同じようなものですよね。)

 

3については、「法律ってこういうことだよね」という本質に気づけた気がします。

本来法律というのは、「条文の要件に当てはめる→全部当てはまったら効果が生じる」というものなわけです。

で、論文試験は、「要件該当性や効果の内容がその条文ど真ん中ではない事案を出して、要件効果の解釈を論じさせて理解を試す」というものなんだと思います。

司法試験の世界では「論証」という言葉が独り歩きしていて、自分も「論証を覚えて書かなければいけない」という思い込みがありました。(どんなに頑張っても覚えられないし、量も多いしでムーリーと諦めましたが)

でも、「論証というのは論文を書く上で、その場で考える時間を短縮するためにあらかじめ用意するものなのではないか、だったらなくてもいいんじゃない?」という風に考えるに至りました。(覚えててその場でうまく使えたら便利ですけどね。)

(例えるならcookdoみたいなものですかね。いいんです、自分は醤油と味噌と鶏ガラスープの素で麻婆豆腐作ります。)

 

とまぁ、こうした「最低限必要なこと」を考えることにより、司法試験委員会が求めているものの本質、さらには法律の本質が見えた気がします。(ないない尽くしの人間がとった、苦肉の策に過ぎなかったんですけど)

自分は新司法試験もこの戦略で行こうかなと考えてます。ちょっと足りないなと思ったら、適宜補いつつ、といったところでしょうか。